コラム
HOME  > コラム  > 事業場外資源によるケアについて

事業場外資源によるケアについて

これまでに、職場におけるメンタルヘルス対策の指針における「4つのケア」のうち、3つ(セルフケア・ラインケア・事業場内産業保健スタッフに対するケア)まで説明してきました。

今回は、その最後となる事業場外資源によるケアについてお話します。

事業場外資源によるケアの位置づけ

「事業場外資源によるケア」とは、事業場外の様々な機関や専門家が必要に応じて行う、こころの健康づくり対策を支援する活動のことです。

メンタルヘルスの「4つのケア」の関連を示した右の図のように、事業場外資源は、これまで説明した3つのケアそれぞれに対して相談・研修・支援などを行う役割を持っています。

公的な役所およびその関連団体に位置付けられる施設は、市町村や都道府県の単位で存在しており、同一名称の施設でも地域によって提供されるサービスが異なります。施設によっては相談可能な対象(会社・労働者)や地域、日時が限定されていますし、相談受付の手段も電話やメール、来所対面式と施設によって様々です。

また、有料でサービス提供を行っている施設もありますが、本稿では医療機関としては労災病院のみを取り上げます。ストレスチェックによって精神疾患の可能性が強く疑われる際には専門医療機関への紹介が必要となるため、実際には精神科や心療内科も事業場外資源に含まれることになりますが、今回は割愛します。

事業場外資源の3つの役割

相談

事業場外資源によるケアでは、事業場内で生じる個別の案件について、セルフケアとラインケアを担う労働者と管理監督者、および事業場内産業保健スタッフのケアを担う衛生管理者からの相談に応えることが中心になります。労働者や管理監督者については、事業場内産業保健スタッフからの紹介を受けて事業場外資源に相談する場合もあります。

研修

事業場外資源が事業場(会社)に対して行う研修には、メンタルヘルス一般に対する研修、セルフケア研修、ラインケア研修、産業保健スタッフへの研修、人事労務担当者間の連携に関する研修、などがあります。また、産業医・看護師・保健師に対する研修を行っている施設もあります。

支援

ここでの支援とは、事業場外資源が行う研修以外のアドバイスを指します。例えば事業場(会社)向けには、職場の実態把握、事業場内の仕組み作り、関係スタッフの育成、心の健康づくり計画、職場復帰支援プログラム、ジョブコーチ(職場復帰にあたり、労働者ができること、できないことを事業場(会社)に伝達するなど、円滑な就労を可能とするために職場内外の支援環境を整える者)などについてのアドバイスや実務指導を行うことなどが考えられます。労働者や家族向けには、職場復帰へのアドバイス、休職期間中の生活・保健指導、リワークプログラムの運用などを行うことが考えられます。特に、労働者や家族向けの支援は多くの医療機関で行われています。

事業場外資源について

事業場外資源には、公的機関や病院などの医療機関などがあります。このうち主なものについて説明します。

産業保健総合支援センター

産業医や衛生管理者などの事業場内産業保健スタッフに対して、産業保健全般に関する相談・対応・研修などを行う施設です。全国47カ所に設置されています。

産業保健総合支援センター (独立行政法人 労働者健康安全機構)
https://www.johas.go.jp/shisetsu/tabid/578/Default.aspx
地域産業保健センター

産業医などの専任義務のない50人未満の小規模事業場やそこで働く労働者に対して、上記の産業保健推進センターと同様のサービスを提供する施設です。全国に347カ所設置されています。

地域窓口 (地域産業保健センター)(厚生労働省)
https://kokoro.mhlw.go.jp/health-center/
労働センター

専門相談員による直接面談が主となります。会社に対しては、労働者からの相談対応方法、個別事案の対応方法、職場内の実態把握方法、事業場内の仕組み作りと環境整備の方法についての指導を行い、労働者に対しては、悩み・不安の傾聴とアドバイス、およびセルフチェックの方法や医療機関の紹介などを行います。

労災病院

労災病院は全国35カ所に設置されており、ストレス関連疾患の診療や労働者の心の健康に関する相談を行っています。 医療機関ですので一部のサービスは有料となることがあります。

全国窓口一覧 (独立行政法人 労働者健康安全機構)
https://www.johas.go.jp/jyoho/tabid/534/Default.aspx
労働基準監督署

「労働者の心の健康保持増進のための指針」に基づく措置の実施について助言や指導を行います。会社に対して「心の健康づくり計画」策定や「職業復帰支援プログラム」規定と作成の仕方について支援します。また労働者に対しては外部資源の紹介を行います。相談については署内管轄地域が規定されています。

全国労働基準監督署の所在案内 (厚生労働省)
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/location.html

 

 

このほかにも、精神保健福祉センターでの電話相談(会社・労働者双方を対象)や各市町村役場における福祉障害担当部門による相談業務(労働者のみ)、法務局人権擁護課における相談(労働者のみ)などでもストレスによるメンタル関連の相談に対応しています。

上記の主な事業場外資源における役割と機能については、ハンドブックが産業保健総合支援センターから発行されていることもありますので必要に応じて参考にしてみてください。例として、東京都と神奈川県についてリンクをお示しします。

東京都:労働衛生のハンドブック (東京産業保健総合支援センター)
http://www.tokyos.johas.go.jp/handbook.html
 
神奈川県:メンタルヘルス事業場外資源ガイドブック(役割と機能)
ガイドブックの入手方法は次のサイトをご覧ください。
神奈川産業保健総合支援センター
http://www.kanagawas.johas.go.jp/ (「What's New」の ☆ で区切られた部分の最後に掲載)
内容の確認だけなら次の資料で閲覧できます。
平成26年度 産業保健調査研究報告書 メンタルヘルス対策における“事業場外資源”の役割と機能 ~“事業場外資源ガイドブックの作成”~
http://www.kanagawas.johas.go.jp/kenkyu/H26.pdf (別添資料として後ろのページに掲載)
 

まとめ

事業場外資源については施設によってさまざまな特徴があり、また、同じ施設でも地域が異なると提供するサービス内容が異なりますので、ご利用の際は必ず事前にそれぞれの施設にご確認ください。

これらの施設の特徴を把握し事業場外資源を活用することで、職場におけるメンタルヘルスの充実にお役立て頂きたいと思います。

 

以上、『事業場外資源によるケア』についてお話いたしました。

(田浦内科クリニック 院長 杉山 厚 [執筆者紹介])

 

事業場外資源としてご利用いただける「メンタルポート」のご紹介

「メンタルポート ストレス チェック サービス」が、弊社から実施者を提供できるようになり、さらに簡単にご利用いただけるようになりました。

 

また、50 人以下の事業場を対象とする「カウンセリング パッケージ」をご利用いただくと、ストレス チェックの基本機能に加えて、次のようなサービスをご利用いただけます。事業場外資源のひとつとして、ぜひご活用ください。

  • 実施者紹介サービス
  • 予備面談実施サービス (別途料金がかかります)
    (追加料金なしでご提供できるようになりました!)
  • メンタル不調者へのカウンセリング

「メンタル不調者へのカウンセリング」では、認知行動療法に通じた専門家が、最大 1 年間にわたりメンタル不調者の社会復帰を支援します。何名でも追加料金なしでご利用いただけます。

 

詳細については、お問い合わせフォームよりお問い合わせください。

「メンタルポートSM」ストレスチェックサービスの
お問い合せ・資料のご請求・各種ご相談ついて、
お気軽にお問い合わせください。