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メンタルセルフケアについて (2)

はじめに

引き続き、メンタル不調を未然に防ぐために日頃から心がけておくべき『セルフケア』についてお話いたします。

 

ストレスの予防、軽減およびストレスへの対処方法

ストレスの予防や軽減に役立つ方法としては、ライフスタイルの見直しが最も効果的です。ストレスを次の日に残さないことや、毎日の生活に労働・食事・睡眠・休養・運動の五つの要素をバランス良く配置することを心がけましょう。これらの中でも睡眠と休養は特に重要で、睡眠は脳と身体の休息に役立ち、休養は疲労の解消に役立ちます。また、不眠状態が続くとうつ病に罹患するリスクが増大すると言われています。労働時間内に眠気がなく気力が充実した状態を維持できる程度の睡眠時間が必要です。そして労働と休息についてもしっかりとメリハリを付け、リズムを整えることが重要です [図1]。

職場内での『セルフケア』として最も重要なことは、労働時間を減らす工夫をすることです。前述のとおり、時間外労働が増えると、相対的に睡眠や休息が削られてしまい身体疾患の発生にも繋がるため、仕事への関わり方を見直したり、よりよい人間関係を構築したりすることで労働時間を減らし、それによって生じた時間を睡眠や休息に回すことがストレスの予防に繋がります [図2]。

運動もストレス解消法として有効で、抑うつの予防や改善に効果があることが示されています。ウォーキングやサイクリングといった有酸素運動を毎日30分以上行うことが推奨されています。また、仕事中の合間のストレッチ運動もストレス解消に役立ちます。自分にあった運動を無理なく続けることが大切です。

ストレッチには、上半身・背中・腰などの部位運動があります。これは、コンピューターの前に長時間同じ姿勢でいるような状況で有効です [表1][表2]。

[表1] 部位別のストレッチ運動
部位やり方
上半身 両腕を組んで頭上に伸ばしながら胸を張る。
背中 両手を組んで前に伸ばしながら、おへそをのぞき込むような姿勢をとる。
イスに腰掛けた状態から、腰を伸ばして体を後ろ側にひねり、イスの背もたれをつかむ。左右両側行う。
[表2] ストレッチ運動のポイント
1.弾みをつけずにゆっくり伸ばす。
2.痛みを感じるところまで伸ばさない。
3.10~30 秒伸ばし続ける。
4.数回繰り返す。
5.呼吸は止めずに自然に行う。
6.伸ばしている部位に意識を向ける。

ストレッチの他にも腹式呼吸やヨガなどが「副交感神経系を優位にするリラクゼーション」として挙げられますが、これらも仕事中にできるストレス解消方法です。腹式呼吸は横隔膜を上下させるようにゆっくりと規則的に呼吸する方法です。まず、体の余計なところに力が入らないように背筋を気持ちよく伸ばし、軽く目を閉じて鼻からゆっくり息を吸い込みます。このときお腹が膨らむようにします。そして、吸気時間の2倍程度の時間をかけて口からゆっくり息を吐きます。この一連の動作を何度か繰り返しましょう。

食事については、規則正しい1日3食の食生活が1日2食に比べて抑うつ症状を発症しにくいことが報告されています。また、カルシウムやたんぱく質、ビタミンCなどのストレス耐性を高める成分を含む食材を多く取り入れることも推奨されています。ただし生活習慣の変更はなかなか難しいものです。無理せずにできることから変えていくことが肝要です。まずは自分自身のライフスタイルのチェックを行ってみてください。

『セルフケア』の中心となる日々のストレス解消法としては、休日の過ごし方も大切です。「好きなことを楽しむ」「自然と触れあう」「身近に相談できる相手や愚痴を聞いてもらえる相手を作る」などが有効です。

ストレスへの対処として、『セルフケア』の構成のところで述べた悪いストレスを良いストレスに変換するという作業は、早期なら自分自身でも対応可能かもしれませんが、ときには専門家も含めて誰かの力を借りる必要もあるでしょう。

悪いストレスが発生していくときの、いわゆる『認知の歪み』を認識し、別の角度から捉え直すことで、悪いストレスを良いストレスに変換できることを理解しましょう [図3]。

 

自発的な相談の有用性

『セルフケア』の3本柱の最後の一つが“自発的な相談”です。これまで述べてきた項目でも何度か自発的相談の有用性について触れましたが、改めてその目的を2つあげるとすれば①ストレスの発生や蓄積の予防②発生・蓄積したストレスの対処でしょう。前者については、日常的な仕事に関連した人間関係が良好であれば相談が容易になり、上司・同僚との問題の共有が可能となることで予防に役立ちます。後者においては前項目でのストレスの悪から良への変換については職場内の良い人間関係が力を発揮することは容易に想像できますが、問題が人間関係それ自体にある場合などは、社内のメンタルヘルス担当者や産業医、場合によっては専門医療機関への受診が必要となることもあります。

ストレスを抱えている人は、この外部への相談という敷居を我々の想像以上に高く感じていることが多いようです。その理由は、会社の自分への評価を気にすることと上司・同僚との関係の悪化を気にしてしまうことにあるようです。『セルフケア』における自発的相談を受ける相手先は、守秘義務はもちろん、相談者側の立場に立ったより身近なサポートであるという前提で相談を受けていることをまず相談者に理解してもらうことが大切です。

メンタルヘルスに関する問題の事例検討では、早期発見による対応が最も再発を防ぐ事ができると位置付けています。そのため、『セルフケア』と名付けていても、早期の自発的相談が問題の本質解明と早期解決に繋がることも十分あることから、『セルフケア』の最後の手段と受け止めず、必要があれば自発的相談を早期から導入する必要があることも従業員に伝えるべきと思われます。

 

終わりに

以上、『セルフケア』の概要について従業員教育を念頭に置いてお話させていただきました。このほか「事業所内の相談先および事業場外資源に関する情報」については、“自発的相談”の項目内に含めることが望ましいと考えます。また、インターネットでは、様々なメンタルヘルスに役立つ情報が閲覧できます。それらのURLを示すことも有用でしょう。「メンタルヘルスケアに関する事業所の方針」については、ストレスチェックの実施にあわせて、今後事業所がどのように従業員のメンタルヘルス問題に関わっていくかを提示することが望ましいと思われます。

(田浦内科クリニック 院長 杉山 厚 [執筆者紹介])

 

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